飲食業に手を出すメリット・デメリット
ビジネスに成功すると、セカンドビジネスとして飲食業に手を出そうとする経営者が多いです。
特に関東・甲信越をはじめ東日本エリアは人口密度が高い地域が多く、飲食店の異業種参入に興味を持っている経営者が多いのではないでしょうか?
しかし、飲食店の開業は初期費用が高く、集客できずに撤退するケースが多いリスキーなビジネスです。
経営者や従業員が利用できれば赤字でもいいと軽く考えるのではなく、黒字経営するための戦略を練って参入するようにしてください。
飲食業に手を出すメリット・デメリットをまとめました。
飲食業に手を出すメリット
異業種のビジネスで成功した経営者や事業者が飲食業に手を出すメリットは次のものがあります。
- 経営者自身が客として利用できる
- 接待で使える
- 社員割引を用意すれば福利厚生になる
- 異業種で利益を確保することでリスクヘッジに繋がる(本業が衰退した時の保険になる)
- 開業費用の資金調達が比較的簡単
- 飲食業を通じて本業の売上増加に繋げることも可能
- 需要が比較的安定している(ネットやAIに仕事を奪われるリスクが低い)
- 資金力のある会社が成功すれば将来性が高い(直営店を増やす・FC展開)
飲食業を経営するのは会社経営者の憧れでもあり、成功した時のメリットは非常に大きいです。
また、趣味の一環として始めた飲食業が本業を超える収益性になることも珍しくありません。
外食が嫌いな人は少数派で飲食業は経済界屈指の巨大産業です。
勝算があるならリスクを認識した上で積極的に検討してください。
飲食業に手を出すデメリット
飲食業に手を出すデメリットは、シンプルに失敗した時の損失が大きく、異業種からの新規参入は成功率が低いことです。
長年の夢を持ち、他の飲食店で修業したのちに自分の店を出す起業家とは違い、管理者を雇用してオーナー経営するスタイルは成功率が一層低くなるので注意してください。
特に好立地の飲食店出店は莫大な費用がかかります。
内装工事だけで数千万円かかるほか、集客力があるテナントは家賃が高額で保証料だけでも数千万円取られるケースがあります。
莫大な投資をした結果、すぐに赤字経営に落ち込んで早期撤退する事例が多いので、本業で利益が出ているから失敗してもいいと安易に考えるのは危険です。
セカンドビジネスのリスク
経営者がお金を出し、店長などの管理者を雇用して飲食業に参入するスタイルは失敗する事例が大きいです。
大きな要因になるのはスタッフのモチベーションで、赤字でも最低限の賃金を払い、成功した時には相応の見返りを用意しないと優秀な人材を失ってしまいます。
特に従業員の技量で味が変わる場合や、接客の態度でリピート率が変化する飲食業は優秀な人材の確保・育成に注力してください。
また、本業が成功してセカンドビジネスとして飲食業を開業する場合、本業のスタッフから不満の声が出るケースが多いです。
従業員から見れば本業が好調なら趣味に近い投資ではなく、賞与・昇給で従業員へ還元して欲しいと思われるリスクがあります。
経営者は社員割引を用意して従業員の福利厚生になると思っていても、従業員から見れば上司や同僚と顔を合わせるリスクがある会社経営のお店は利用したくないと思っているかもしれません。
このほか、経営難に陥った飲食店の対応を巡り、役員や従業員の意見が割れて会社全体が険悪な雰囲気になることが多いので注意しましょう。
このようにセカンドビジネスで飲食業に手を出した結果、本業の事業継続も困難な状況に追い込まれることがあります。
最低条件として、飲食業単体で黒字経営できる計画を立てた上で参入するようにしてください。
飲食業の黒字運営ができてれば、本業の従業員から不満が出ることがなくなり、飲食店スタッフの待遇を改善しやすくなります。
経営者が現場に入らないのであれば、利益率の数字だけを見て判断するのではなく、現場の負担や功績をしっかり評価することが大切です。