会社設立?個人事業主?
これから起業する方や、事業拡大を目指す個人事業主の方は、会社設立と個人事業主の2つの選択肢があります。
会社設立は初期費用と売上が上がらない場合の費用が高いですが、個人事業主よりも多数のメリットがあります。
法人ならではのメリットを活かせるかが、会社設立か個人事業主を選ぶポイントです。
会社でないとできない業種
一部の業種は会社でないと許認可を取ることが原則できません。
制度上の問題で会社が必須になるのは主に金融系サービスです。
代表的な事例をご覧ください。
- 銀行系
- 証券会社
- 信販会社
- クレジットカード会社
- 電子決済代行業者
- 保険会社(代理店を除く)
- 信託会社
これらのサービス提供に必要な許認可を取るには会社設立が必須で、業種によっては資本金の要件が定められています。
金融系以外の業種は個人事業主でも許認可を取ることができますが、信用の面で法人運営の比率が非常に高い業種が多数あります。
法人運営の比率が高い業種の一例をご覧ください。
- 貸金業
- ゼネコン(大規模な建設業)
- 労働者派遣事業(一般・特定)
- 不動産業
- 警備業
まずは事業展開させたい業種で、個人事業主で活躍している業者がいるのかチェックすることが大切です。
法人比率が高い業種の場合、個人事業主だと信用されずに仕事の獲得で苦労します。
会社のメリット
個人事業主に比べた会社のメリットは次の通りです。
- 顧客や取引先からの信用を得られる
- 融資を受けやすい
- 売上や事業規模が大きい場合は税制面が有利
- 優秀な人材を確保しやすい
- 個人事業主より会社経営者の方が社会的地位が高い
もっとも重要なのは個人事業主と会社(法人)で売上や仕事受注に変化があるかです。
売上や利益の増加へ繋がる要素がある場合は、起業する時点で会社設立をする価値が高いでしょう。
会社のコスト
株式会社の場合にかかる主な費用は次の通りです。
設立費用:登録免許税等で約15万円+司法書士報酬10~20万円
税理士費用:決算のみのスポットで年3万円~、顧問契約は年12万円~
税金:売上が上がらない、赤字決算でも年7万円の法人住民税が発生
個人事業主の場合は開業届を提出する費用は0円。
多くの方が年間1万円ほどのクラウド会計ソフトを使い自分で確定申告をしています。
売上が上がらない場合の税金負担はなく、収益が少ない場合は法人よりも税制面が有利です。
個人事業主から始めるメリット
会社設立か個人事業主の選択で迷っていて、同じ業種で個人事業主として活躍している方が多い場合は、まずは個人事業主から挑戦してみるとよいでしょう。
個人事業主は税務署へ開業届を出すのみで簡単に屋号を取得でき、維持費もリーズナブルです。
大手の下請や小規模の店舗運営など、個人事業主の同業者が多い業種であればいきなり会社設立するメリットはありません。
売上が大きくなってきたタイミングで、税理士と相談した上で法人化するか検討するとよいでしょう。